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ヲタ子ルヒとツンデレ子ナミとアイドルカルーちゃんとの日々

ゾロ誕です

殆ど10周年な気分ですがね。文と言うよりただの萌えです。小説と言うほどにならないのでこちらに。
ゾロ誕にゾロの居ないゾロナミ小話など。二年後です。
ゾロ、誕生日おめでとう!

「暇」(ナミとシャッキー)
「暇なの」
「今更貴女がそれを言う?」

ゆっくりと二人の間を紫煙が登って行く。
幸か不幸か店の中には二人だけ。口の端をにっこり上げて笑う黒髪の女性とそれを睨み付けんばかりの瞳を彩る長く伸びたオレンジ色の髪。



「だって暇だもん」
オレンジジュースの氷がカランと鳴る。グラスからストローを咥えてナミは軽く仰け反った。むっちりとした肉感を持ちながらも柔らかく輝く唇で挟まれたストローが宙でふるふると振り回されて、先から二滴だけ雫が零れて彼女の顔にかかる。それを軽く手で払いながら上を向いたまま。見ながらシャッキーは今一度煙草をくわえて吸い込んだ。

「あなたたちの後にもう3人が店に来てるわ」
「ホントッ!?ルフィは?」
「いいえモンキーちゃんはまだよ」
翻って一気に身を乗り出し瞳がキラキラ輝いたが『まだ』の言葉でふいっと横を向いて唇を尖らせる。
「言ってくれたら・・他の連中にだって早く会いたいのに」
「あら?そうは思えなかったけど」
意味ありげな目でシャッキーはナミを見つめる。
「そうなのっ」
ナミは突っぱねた答えで彼女の視線を一瞬呼吸を止めながら堪えてみたが、我慢をやめて視線を泳がせてから下を向いた。ゆるゆると頬が薄い紅に染まる。
「・・・・意地悪」
ストローは戻されて上目遣いにナミはシャッキーを見上げた。
「あら、宿の手配はお金も含めて済んでた事が?それともあなたたちにダブルベッドのある宿を用意した事かしら?それとももっと進んでその宿は食事なら電話すれば入り口の所までのルームサーヴィスが有るって教えてあげた事?じゃなかったら後から来た三人には別のお宿を用意して置いた事?」
「・・・・・ほんっと意地悪いわよ」
頬どころか耳の裏まで真っ赤だ。こんなナミはサニー号でもそう見られたものではない事は知らないがシャッキーはにっこり微笑んだ。
二人の間の勝敗は決してしまった。

照れた表情は残しつつもナミは面を上げる。両手をきゅっと握りしめて染まった頬の上に凛とした瞳が真っ直ぐにシャッキーを見つめた。
「ありがとう。うん、でも感謝してるわ、本当に色々言えないくらい」
「そうね、彼の分も感謝して貰わないといけないわね」
「あいつの借金はあいつに払わせて頂戴。あたししらなーい」
「その素敵な顔一つ見せてくれたからこれは貴方につけて置くわ。後から彼に払って貰ってね」
「そんなコトしてたら奴の懸賞金はあたしへの借金で相殺されちゃう」
減らず口にも似た軽口に対してシャッキーが更ににっこり笑ったのは自分が勝ったからじゃない。その目を受けたナミにもはっきり判る、そんな優しい瞳だった。

シャッキーは二年間待っていた。ハチを介抱しながらでもあったが、彼らに会って、調べれば調べるほど彼の仲間達の行動は潔くも魅力的すぎた。こんな海賊は居ない。彼が仲間に選んだだけの事はある。古の理想とされた海賊達の姿が重なっては消える。

それでも若い彼らは見甲斐はあったが更にからかい甲斐も有る。その瞳がちらりと揺らいだように光った。コホンと煙草を外して頭をゆっくり振りつつ遠くを見上げてみせた。

「それでも・・いくら私でもまさか五日間二人っきりで隠りっきりになるとは読めなかったわ。初日なんて丸一日食べなくても大丈夫だなんてまぁ気持ちは判るけど。若いって良いわねぇ」

ナミは飲みかけのオレンジジュースを一気に吹いた。
若いとか言いながらどう見てもせいぜい一世代上にしか見えないシャッキーはさっきと同じ笑顔のままニコニコ微笑んでいる。
緩急付けて攻めるシャッキーに感謝したり頬を紅潮させたりと忙しいナミだったが流石に床話をつつかれてもうぐうの音も出ない。真っ赤になりながら真っ青だ。
それすらも微笑ましいとシャッキーは手の中の煙草を下に置いた。

それじゃね。と優しく耳元で囁いた。
「彼が一番に来て言った言葉、教えてあげるわ『誰か来てるか?うちの航海士はまだか?』って、最初はあまりに礼儀を知らない尋ね方だったから一度外に出て頂いて、それからもう一度正式に挨拶してもらったわよ。その彼もモンキーちゃんはきっと最後って事は判ってたみたいね」
もう一度ナミは青くなった。シャッキーの『外に出て頂く』や『正式な挨拶』が想像を絶する事は難くない。
どおりで部屋にいるときに後ででもこの店に行こうといってもなかなか頷かなかった訳だと思い当たって吹き出した。
「あたしには三番三番って煩かったわよーー」
「けど本来人を待たない子でしょ?珍しくお部屋で待ってたんだから文句言わないの」
その言葉にナミはえへへと今度は目元をうっすら染めて照れて笑う。
本当に百面相。
見ていて飽きる事など無い。

「で、どうするつもり?」
シャッキーが問うた。ナミの中に少々腹にすえかねているのが今朝方の奴の行動だ。
どうしよう。このまま部屋に戻って訓練とやらをダシにして人の誘いを断ったバカをベッドで待ってやる気は今は無い。そうじゃなくてもこの島の事も判らないまま日を過ごしてしまったのだし時間が勿体ない。とナミの中に様々な考えが浮かんでは流れて、最後に彼女はきゅっと唇を結んだ。
「あたし暇だし、全然買い物とかできてないし。そうよ買い物三昧の予定だったのにっ!行ってくるわ。どこがお薦めか教えて」
「あの子を荷物持ちに使おうなんてするから訓練とか言って逃げられちゃうんじゃない」
あっさり言いながらくっくっと笑うシャッキーにナミは頬を膨らませた。がたんとカウンターの席を立つと備え付けになっている椅子が動かないまでも無いがビーンと震えた。
「何で、なんであんたがそこまで知ってんのよーーー!もう良いから、あいつが戻ってきてもあたしの行く先言わないでね!」
「はいはい、本当にあなたたちって見てて絶対飽きないわ」
「いいからっっ!」
席を立ち、ポケットにテーブルに置いていた貴重品を詰め込んですいっと軽やかに店の出口の方へ向かう姿を見送る。こういう光景を見るのももうあと少しと、軽い未練が残ったが黙って煙草を持つ手を軽く揺らした。また咥えて両手を組む。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
挨拶だけは妙に行儀がよいのも彼らに共通した美点だ。
背中越しに入り口の光が彼女を覆いい光の中に歩き出して行く若き海賊の背中に形にならない言葉をシャッキーは飲み込んだ。



この約束のお陰でトレーニングから帰ってきたゾロが『ナミの奴いねぇのか。じゃ、暇だな。魚でも釣ってくるか』と頭をかいて外出し、ガレオン船を一隻破壊するのはまた後の話である。


end






だから本誌でのゾロナミの声かけは無かったの。
だって二人は濃密な時間を二人っきりで過ごした後だからv
コメント
絶対会話済みだって
ありがとーーー!

彼らが本誌に出てきて順番が明らかになった瞬間、この話は私の脳内ではデフォルトになってました。
実際はその5日間のあーんな事とかこーんな事も山ほど想像してるけどこれは時間が足りず筆が追いつかなかったので今回は皆様の想像にお任せいたします。
いや、そのあたりは書いてくれても良いよ!
2010/11/13(土) 03:01 | URL | かるら #-[ 編集]
拝読しました!
なるほどなるほどーだから二人の会話はなかったのですね、納得です^^。
それにしても5日間も・・・!ホントに若さってすごいわ(笑)。

ナミとシャッキーさんのやりとりは、皆まで言わずとも通じ合う、そんな機微に富んでいてステキでした。でもあくまでシャッキーさんの方が一枚上手なんですね(笑)。そしてお話を通して彼女の麦わら一味を見守る視線の優しさをつくづくと感じました。

原作では2年後になってのゾロナミの直の会話はまだですが、それが果たしていつ出てくるのか、楽しみに待ちたいと思いますv
2010/11/12(金) 00:22 | URL | 四条 #-[ 編集]
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Author:かるら
別名 鳥 。
三児の母。医療系職人。

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